今年は世界3大コンクールの一つとされる「第18回ショパン国際ピアノコンクール」が開催されます。5年に1度行われるコンクールで、本来なら昨年2020年に開催予定でしたが、コロナのために1年延期されています。
7月には予備予選が行われ、本大会に出場する87名が決定しました。日本からは予備予選を通過した13名と、浜松国際コンクール第2位のため予備予選を免除された牛田智大さんの14名が本大会に出場されます。
ショパンコンクール2021 出場資格について
さて、ショパンコンクール の募集要項って見たことありますか?
自分は全くお呼びでないのでこれまで調べもしませんでしたが(笑)、ちょっと興味が沸いたので調べてみたら、一般人でも要項を見ることができました。→要項はこちら
一般ピーポーでも見れるところに要項があったというのが驚きですね!!
実施要項 抜粋
《参加資格》1990年から2004年生まれの方
《審査方法》
課題曲を録画したビデオを必要書類と共に提出。ビデオによる審査
→ビデオ審査通過者は、ワルシャワにてライブ審査。(これに通過すると本大会に進むことができる)
《必要書類》
①所定の申込書
②略歴(1,000字程度)
③生年月日が証明できる公的証明書の写し
④最近撮影した写真3枚
⑤審査用ビデオ
⑥音楽学位証明書の写し
⑦教授や著名な音楽家からの推薦状2通
⑧過去3年間の音楽活動を証明する書類(演奏会のプログラムやチラシなど)
⑨参加費用支払い証明
《コンクール参加費》
100ユーロ(約11,804円)
《賞金》
1位:40,000ユーロ(約4,721,600円)
2位:30,000ユーロ(約3,541,200円)
3位:20,000ユーロ(約2,360,800円)
4位:15,000ユーロ(約1,770,600円)
5位:10,000ユーロ(約1,180,400円)
6位: 7,000ユーロ( 約 826,280円 )
7位以下のファイナリスト:4,000ユーロ(約472,160円)
《特別賞》
ポロネーズ演奏最優秀賞
マズルカ演奏最優秀賞
コンチェルト演奏最優秀賞
ソナタ演奏最優秀賞
要項は誰でも見れるものの、教授や著名な音楽家からの推薦状や、音楽活動を証明する書類が必要だったりするので、当然ながら誰でも受けられるわけではありません。
地味に驚いたのは、参加費がとても安いこと。最近コンクールと名のつくものが世の中にはたくさんありますが、これほどの国際コンクールの参加費が1万円ちょっとしかしないことって案外知られていないかもしれませんね。
ショパンコンクール2021の日程と課題曲
予備予選は7月に既に終了してしまいましたが、本大会はまだまだこれから。見逃さないためにも、日程と課題曲をチェックしていきましょう。
なお、予備予選を見たい方はYoutubeに全コンテスタントの演奏があがっています。日毎にまとまっていて、コンテスタントの名前も見られるので、「音楽の友社」さんのサイトから聴くのがおすすめです。
こんなにすごい演奏が簡単に聴けちゃうなんて、いい世の中になりましたよね。
予備予選
第18回ショパンコンクールの応募総数は過去最多の500人(53ヶ国からの応募)。その中で書類、ビデオ審査に通過した164人が予備予選に進出しました。
日程:2021年7月12日〜23日
課題曲:全6曲
①次のaおよびbグループのエチュードから任意の各1曲ずつ
エチュードa:Op.10-1、Op.10-4、Op.10-5、Op.10-8、Op.10-12、Op.25-11
エチュードb:Op.10-2、Op.10-7、Op.10-10、Op.10-11、Op.25-4、Op.25-5、Op.25-6、Op.25-10
②下記の作品(ノクターンかエチュード)から任意の1曲
ノクターン:Op.9-3、Op27-1、Op.27-2、Op.37-2、Op.48-1、Op.48-2、Op.55-2、Op.62-1、Op.62-2
エチュード:Op.10-3、Op.10-6、Op.25-7
③バラードNo.1〜4、舟唄、幻想曲から1曲
④指定のマズルカ(Op.17、24、30、33、41、50、56、59)から任意の2曲
第1ステージ
第1ステージは、予備予選に通過したコンテスタントと、すでに発表されている予備予選免除者(指定のコンクールの上位2位までの入賞者)の計80名ほどが演奏します。
今大会では、予備予選に通過した78名に免除者の9名を加えた87名が演奏します。
日程:2021年10月3日〜7日
課題曲:全4曲
①次のaおよびbグループのエチュードから任意の各1曲ずつ
エチュードa:Op.10-1、Op.10-4、Op.10-5、Op.10-8、Op.10-12、Op.25-11
エチュードb:Op.10-2、Op.10-7、Op.10-10、Op.10-11、Op.25-4、Op.25-5、Op.25-6、Op.25-10
②下記の作品(ノクターンかエチュード)から任意の1曲
ノクターン:Op.9-3、Op27-1、Op.27-2、Op.37-2、Op.48-1、Op.48-2、Op.55-2、Op.62-1、Op.62-2
エチュード:Op.10-3、Op.10-6、Op.25-7
③バラードNo.1〜4、スケルツォNo.1〜4、舟唄、幻想曲から1曲
第2ステージ
第2ステージは、一次の半分の約40名が演奏する予定です。
日程:2021年10月9日〜12日
課題曲:30~40分のプログラム
①バラードNo.1〜4、スケルツォNo.1〜4、舟唄、幻想曲、幻想ポロネーズから1曲
②指定のワルツから任意の1曲
ワルツ:Op.18、Op.34-1、Op.34-3、Op.42、Op.64-3
③アンダンテ・スピアナートと華麗なるポロネーズ、ポロネーズOp.44、Op.53、Op.26から1曲
④その他、任意のショパン作品(上記の課題曲で合計分数に達しない時のみ)
合計時間が30~40分となるようにプログラムをつくる。
第3ステージ
第3ステージは、二次の半分の約20名が演奏します。
日程:2021年10月14日〜16日
課題曲:全3曲
①ピアノソナタ第2番、ピアノソナタ第3番、24のプレリュード全曲から1作品
②指定のマズルカ(No.17、24、30、33、41、50、56、59)から1セット
マズルカ:Op.18、Op.34-1、Op.34-3、Op.42、Op.64-3
③その他、任意のショパン作品(上記の課題曲で合計分数に達しない時のみ)
合計時間が45~55分となるようにプログラムをつくる。
ファイナル
これが最終。第3ステージの半分の約10名が演奏し、入賞者6名が決定します。
日程:2021年10月18日〜20日
課題曲:
ピアノ協奏曲第1番、第2番のいずれか1作品
ショパンコンクールの審査方法は?
第18回コンクールの審査員は次の方々。ショパンコンクールにおいては、いずれのステージでも審査員は自分の生徒を評価することはできません。
ドミトリー・アレクセーエフ、マルタ・アルゲリッチ、サ・チェン、カタジーナ・ポポーヴァ=ズィドロン、ダン・タイ・ソン、海老彰子、ネルソン・フレイレ、フィリップ・ジュジアーノ、ネルソン・ゲルナー、アダム・ハラシェヴィチ、クシシュトフ・ヤブウォンスキ、ケヴィン・ケナー、ヤーヌシュ・オレイニチャク、ピオトル・パレチニ、エヴァ・ポブウォツカ、ジョン・リンク、ヴォイチェフ・シュヴィタワ、ディーナ・ヨッフェの18人。
同コンクールの歴代の優勝者・入賞者が多く選ばれている。
※ネルソン・フレイレが病気のために審査員を務められなくなり、アルゲリッチもフレイレと共にいるためにキャンセル。お二人の代わりにアルトゥール・モレイラ・リマが審査員を務めることになりました。(17名)
第1ステージから第3ステージでは、審査員は各コンテスタントに「次のステージに進むべきか否かのYES/NO」と、「1〜25ポイントの点数」をつけて、評価します。
第1ステージと第2ステージにおいては、YESの数が多い順に、得点の平均点を添えたものが並び、名前を明かさない状態で次のステージへの通過者が決定されます。
ただし、第3ステージの後は、審査員の過半数がコンテスタントの名前を知りたいとした場合、9位から12位の名前を見た上で、10名のファイナリストを決定します。この場合においても、変更可能なのは9位から12位のコンテスタントのみです。
ファイナルでは、1から10までの点数を各コンテスタントに投票します。これは、コンクールの最終順位という想定で、これまでのステージの演奏も考慮にいれた上でつけられる点数です。
ショパンコンクール においては、上位6名までが入賞者として順位を与えられます。
1年遅れで7月にいよいよスタートしたショパンコンクール。
10月からの本大会が楽しみですね。世界中から集まったコンテスタントの方々の演奏を楽しみましょう♪