長音階の仕組み
まずは、西洋音楽の基本である「長音階」について学習しよう!
音階というのは「特定の秩序にしたがって配列された音列」のことなんだ。
特定の秩序ってどういう意味??
ある長音階を例に考えてみよう!
これはC dur(ハ長調)という音階だよ。
音階ではこのように音符の下にローマ数字を書いてそれぞれの音が音階の何番目の音であるかを示すんだ。「第Ⅰ音」〜「第Ⅶ音」とよばれるよ。
さて、この長音階においては、1オクターブ内に7つ音が配列されているんだけど、それぞれの音の音程関係はどうなっているかな?
③Eと④Fの間と、⑦Hと①Cの間だけ「短2度(半音)」になっていて、他は全て「長2度(全音)」になってるよ。
そうだね。
C dur上の音程関係は、下から「全・全・半・全・全・全・半」というように並んでいるということがわかるね。
じゃあ、次は違う音を第Ⅰ音にして、長2度(全音)と短2度(半音)の順番を同じにして並べてみよう。第Ⅰ音をGの音にしたらどうなるかな??
Gの音から順番に並べると・・・
Fだけ#がついてFisになるね。
あ、この音階知ってるよ!!「G dur(ト長調)」だ!!
その通り!
長音階というのは全て「全・全・半・全・全・全・半」という音程関係になるように配列されているんだよ。
そしてこの音程関係こそが、「特定の秩序」なんだ。
また、Asから始めたら「As dur(変イ長調)」、Hから始めたら「H dur(ロ長調)」というように、第Ⅰ音(←主音という)を何の音にするかで調性が決まるよ。
長音階の練習問題①
長音階の調号
今学んだ秩序に従って、楽譜上には15個の長音階が存在するよ。
これらの15の長音階は次の3つに分類できるんだ。
①派生音を含まない長音階‥‥ハ長調の音階
②嬰音(♯の付く音)を含む長音階‥‥嬰種長音階
③変音(♭の付く音)を含む長音階‥‥変種長音階
ハ長調以外の14個の長音階には派生音(♯や♭のつく音)が含まれるんだけど、これらの派生音はその調性に必要不可欠なものだよね。
でも、そのつど臨時記号で書くと、書くのも読むのも煩雑になっちゃう。
だから、「調号」として音部記号の右隣にまとめて書くことになっているんだよ。
次に全ての長調を紹介するよ。調と調号については全て覚えてしまおう!
「長調」はドイツ語で「Dur(ドゥア)」という。これに大文字のドイツ音名をつけて表記する。(例:ハ長調→ C dur)
①派生音を含まない長音階
C dur
②嬰種長音階
G dur
D dur
A dur
E dur
H dur
Fis dur
Cis dur
※嬰種長音階の場合、調号の♯が1個増えるごとに主音が完全5度上に移り、♯はFisを第1番目として主音の移動と同じ音程関係で、完全5度上に順次増えていく。
③変種長音階
F dur
B dur
Es dur
As dur
Des dur
Ges dur
Ces dur
※変種長音階の場合、調号の♭が1個増えるごとに主音が完全5度下に移り、♭はBを第1音目として主音の移動と同じ音程関係で、完全5度下に順次増えていく。
「H durとCes dur」「Fis durとGes dur」「Cis durとDes dur」って違う音階だけど聴こえてくる音は一緒だよね?
いいことに気付いたね!
これらの異名同音を主音とした響きが同じ調のことを「異名同音調」とよぶよ。
調号と調性の覚え方
それにしても、こんなにたくさんあると覚えるのも一苦労だなぁ。
何かいい覚え方とかないの?
調号は規則性に則ってつけられているから、さっき紹介した完全5度の関係とか自分が覚えやすい法則で覚えるといいよ。
覚え方も色々あるけど、私のおすすめは次の覚え方だよ。
とにかく呪文のように次のカタカナを何度も声に出して読んで、覚えてしまおう!
- ♯のつく順番は「ファドソレラミシ」
- ♭のつく順番は「シミラレソドファ」
- ♯系の長調は「トニイホロヘハ」
- ♭系の長調は「ヘロホイニトハ」
例えば、♯3つの長調を聞かれたら、「①ト②ニ③イ」で「A dur」になる。ちなみに調合は「ファ、ド、ソ」の順に3個つきます。
「変二長調」の調号を書くように求められたら、「へ・ロ・ホ・イ・二」で5番目だから♭は5つ。調号は「シ、ミ、ラ、レ、ソ」の順に書けばいいということがわかる。
よし、頑張るぞ!!
「トニイホロヘハ」「トニイホロヘハ」・・・・・・
長音階の練習問題②