ショパンコンクール2025のピアノ選びについて。コンテスタント達が選んだピアノは?

ショパンコンクールといえば、ピアノ選びも気になるところですよね。コンテスタント達がそれぞれ自分に一番合うピアノを選んで演奏することが多いピアノコンクール。ピアノ選びも重要な注目ポイントの一つです。今回は、そんな「ピアノ選び」についてまとめてみたいと思います。

目次

第19回ショパンコンクールで使われているピアノメーカーは?

今回選べるピアノは、前回のコンクールと同様の5台。

コンテスタントの方々は、Steinway & SonsYAMAHAKAWAIFazioliBECHSTEINの5メーカーのピアノから、1台を選びます。

前大会はスタインウェイが2種類でしたが、今回は新たにベヒシュタインが仲間入りしたのが注目ポイントですね。

このピアノ選び、選定にかけられる時間はたった15分。今回のコンクールでは、ピアノ選びに同伴者に来てもらうことができないルールになったそうです。

そして、前回途中で変更になった「第1ステージで選んだピアノを途中で変更することができないルール」は、今回も存在するようです。前回のようにまた可能になるのか、はたまた今回はそのまま続行することになるのか、見守りたいと思います。

なお、ピアノ選びが終了し、前回とは違う傾向が見えてきました。
2021年の第18回ショパンコンクール第1ステージのピアノ選びで最もたくさん選ばれたのは、スタインウェイ。続いて多かったのがヤマハ、次がファツィオリで一番少なかったのがカワイだったのですが、今回はスタインウェイ、カワイ、ファツィオリ、ヤマハ、ベヒシュタインという順に変わったようです。

ちなみに、人数の内訳は次の通り。

第19回ショパンコンクール第1ステージのピアノ選び内訳

  • スタインウェイ‥‥42人(50%)
  • カワイ‥‥21人(25%)
  • ファツィオリ‥‥10人(11.9%)
  • ヤマハ‥‥9人(10.7%)
  • ベヒシュタイン‥‥2人(2.4%)

以下は前回大会(第18回ショパンコンクールのピアノ選びの内訳です。)

  • スタインウェイ‥‥64人(全体の約75%)
  • ヤマハ‥‥9人
  • ファツィオリ‥‥8人
  • カワイ‥‥6人
管理人

前回大会で75%を占めていたスタインウェイが全体の半分に減り、カワイが大躍進しました。前回カワイは第1ステージでの選択者が6人しかいなかったのに、そのうちの半分がファイナルに進出したので、その辺りもプラスの評価につながったのかもしれません。
ベヒシュタインはまだまだ少ないですね。
誰が選んだのかも気になります。

ショパンコンクールと「ピアノ選び」の歴史

スタインウェイのピアノは、ショパン国際ピアノコンクールの約100年の歴史の中で最も長い間使われてきたそうです。

第1回大会では、他にベヒシュタインベーゼンドルファープレイエルのピアノがありました。 ちなみに楽器の選択は、参加者の演奏の前日に行われていたそう。

選べるピアノが最も少なかったのは1965年で、スタインウェイ3台のみでした。逆に最も選択の幅が広かったのが1990年で、その数なんと7台!! 驚きですね。

日本の誇るピアノメーカー、ヤマハカワイが初めて登場したのが1985年。イタリアのファツィオリが選べるようになったのは、第16回ショパン国際ピアノコンクール(2010年)からです。

第1ステージでコンテスタントの方々が選んだピアノは?

ピアノ選びも大きなポイントとは言え、同じピアノでもピアニストによって全然違う音がなるのがピアノの面白いところ。

第1ステージでのコンテスタントのピアノ選択は以下のとおりでした。

  • スタインウェイ‥‥42人(50%)
  • カワイ‥‥21人(25%)
  • ファツィオリ‥‥10人(11.9%)
  • ヤマハ‥‥9人(10.7%)
  • ベヒシュタイン‥‥2人(2.4%)

☆第2ステージ進出者には青ラインを引いています。なお、第2ステージはZから開始となります。

☆第3ステージ進出者には黄ラインを引いています。

☆ファイナルステージ進出者には赤ラインを引いています。

1日目(10/3) Morning session(8名)

Steinway & Sons ‥‥ 5名
② Chun Lam U ③Tomoharu Ushida ④Ryan Wang ⑦Andrzej Wierciński ⑧Krzysztof Wierciński

Kawai ‥‥ 2名
Zitong Wang ⑥Jan Widlarz

Fazioli ‥‥ 1名
① Ziye Tao

1日目(10/3) Evening session(9名)

Steinway & Sons ‥‥ 4名 
Yifan Wu ⑤ Ryota Yamazaki ⑦ William Yang ⑨ Yichen Yu

Kawai ‥‥ 3名
② Maiqi Wu ④ Miki Yamagata ⑥ Fanze Yang

Fazioli ‥‥ 1名
⑧ Yuanfan Yang 

Yamaha ‥‥ 1名
① Victoria Wong

2日目(10/4) Morning session(8名)

Steinway & Sons ‥‥ 3名
Jacky Xiaoyu Zhang ④ Yonghuan Zhong ⑥ Jingting Zhu   

Kawai ‥‥ 4名
① Yuewen Yu ② Andrey Zenin ⑦ Piotr Alexewicz ⑧ Jonas Aumiller 

Fazioli ‥‥ 1名
⑤ Hanyuan Zhu

2日目(10/4) Evening session(9名)

Steinway & Sons ‥‥ 5名
Yanyan Bao ③ Kai-Min Chang ④ Kevin Chen ⑤ Xuehong Chen ⑧ Hoi Leong (Zach) Cheong 

Kawai ‥‥ 3名
② Michał Basista ⑥ Zixi Chen ⑨ Athena Deng

Yamaha ‥‥ 1名
⑦ Hoi Leong (Zach) Cheong 

3日目(10/5) Morning session(8名)

Steinway & Sons ‥‥ 6名
Yubo Deng ② Mateusz Dubiel ③ Yu-Ang Fan ⑥ Shuguang Gong ⑦ Eric Guo ⑧ Wei-Ting Hsieh

Kawai ‥‥ 1名
Yang (Jack) Gao

Yamaha ‥‥ 1名
④ Alberto Ferro

3日目(10/5) Evening session(8名)

Steinway & Sons ‥‥ 4名
② Hasan Ignatov ⑤ David Khrikuli ⑥ Antoni Khrikuli ⑨ Shiori Kuwahara

Kawai ‥‥ 1名
Zihan Jin

Fazioli ‥‥ 2名
Xiaoyu Hu ④ Adam Kałduński

Yamaha ‥‥ 2名
⑦ Kaito Kobayashi ⑧ Mateusz Krzyżowski

4日目(10/6) Morning session(8名)

Steinway & Sons ‥‥ 4名
Hyuck Lee ⑥ Tianyou Li ⑦ Xiaoxuan Li ⑧ Zhexiang Li

Kawai ‥‥ 2名
Hyo Lee ⑤ Luwangzi Li

Yamaha ‥‥ 2名
① Shushi Kyomasu ④ Kwanwook Lee 

4日目(10/6) Evening session(9名)

Steinway & Sons‥‥ 5名
① Hao-Wei Lin ④ Philipp Lynov ⑦ Xuanyi Mao ⑧ Ruben Micieli ⑨ Nathalia Milstein

Fazioli ‥‥ 3名
② Pedro López Salas ③ Eric Lu ⑤ Tianyao Lyu

Bechstein ‥‥ 1名
⑥ Tiankun Ma

5日目(10/7) Morning session(8名)

Steinway & Sons ‥‥ 2名
⑥ Arisa Onoda ⑧ Yehuda Prokopowicz

Kawai ‥‥ 4名
Yumeka Nakagawa ④ Yuya Nishimoto ⑤ Vincent Ong ⑦ Piotr Pawlak

Fazioli ‥‥ 1名
③ Viet Trung Nguyen

Bechstein ‥‥ 1名
② Yulia Nakashima

5日目(10/7) Evening session(9名)

Steinway & Sons ‥‥ 4名
Hao Rao ② Anthony Ratinov ⑤ Miyu Shindo ⑦ Gabriele Strata

Kawai ‥‥ 1名
⑥ Mana Shoji

Fazioli ‥‥ 1名
③ Zuzanna Sejbuk

Yamaha ‥‥ 2名
④ Jun Shimada ⑧ Eva Strejcová

管理人

前回大会は圧倒的にスタインウェイが多いと感じましたが、今回はKawaiの登場がとても多くなりました。
配信なので聴こえ方は現地とは違うのかもしれませんが、スタインウェイの鳴りが日が進むにつれて良くなった?と感じることも。
それにしても、国際的なコンクールで5つ中2つも日本のメーカーというのは、日本人からするととても嬉しいですね。
調律師さんたちの戦いにも注目です。

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