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和音の機能とは
音階の各音の上につくられた和音は、どれも同じ性格や働きを持っているわけではなく、それぞれに独自の「働き」を持っているんだ。それをその和音の「機能」というよ。
和音の機能3種類
- Tonic(トニック)の機能 ・・・ 音階上のⅠ、Ⅵ
- Dominant(ドミナント)の機能 ・・・ 音階上のⅤ、Ⅶ
- Subdominant(サブドミナント)の機能 ・・・音階上のⅣ、Ⅱ
それぞれ、「T」「D」「S」と略記されます。
①Tonicの機能(主和音、副三和音のⅥ)
調を代表する和音で、あらゆる和音の中で最も安定感があり何の和音にでも進むことができる。
②Dominantの機能(属和音、副三和音のⅦ)
Tonicに進もうとする性質を持っている。(Tonicにしか進めない)
属七の和音の場合は、さらにその性質が強力になる。
③Subdominantの機能(下属和音、副三和音のⅡ)
主和音(T)に進もうとする性質と、属和音(D)に進もうとする性質がある。
終止形(カデンツ)とは
和音の流れには「区切り」や「まとまり」があり、それを「終止形(カデンツ)」と呼ぶんだけど、それには「和音の機能」が関わっているんだ。
終止形の種類と進行をおさえておこう!
完全終止・・・DーTにⅤーⅠの基本形の和音をあて、上声部が主音で終わる終止法。この進行は、完全な終止感を得られる。
不完全終止・・・DーTにⅤ6ーⅠやⅤーⅠ6など、転回形をあてた進行。上声部が主音以外で終わる場合も不完全終止という。
偽終止・・・DーTにⅤーⅥの和音をあてた進行。ⅤーⅠへの期待を裏切ってⅥに進むため「偽」と呼ばれ、不満が残る終止である。
変(格)終止・・・SーTにⅣーⅠをあてた進行。完全終止で曲が終わった後につけたりのように用いる。この終止は、賛美歌の最後にあるアーメンの部分に用いられることから「アーメン終止」の別名がある。
半終止・・・曲の途中においてⅤで終止する形。最も不安定な形である。